ESGコンサル
ESGコンサルとは
ESGとは、Environmental (環境)、Social (社会)、Governance (企業統治) の頭文字を取ったものであり、企業が取り組むべき環境・社会的な課題や、企業統治の重要性を表しています。ここ数年、ESGに関する投資やコンサルティングが注目されるようになり、多くの金融機関やコンサルティングファームがESGに関するサービスを提供しています。以下にESG関連の金融機関やコンサルファームの一例を挙げます。
金融機関:
ブラックロック (BlackRock)
ゴールドマン・サックス (Goldman Sachs)
JPモルガン・チェース (JPMorgan Chase)
モルガン・スタンレー (Morgan Stanley)
シティグループ (Citigroup)
バークレイズ (Barclays)
コンサルファーム:
マッキンゼー (McKinsey & Company)
ボストン・コンサルティング・グループ (Boston Consulting Group)
ベイン・アンド・カンパニー (Bain & Company)
デロイトトウシュトーマツ (Deloitte Touche Tohmatsu)
アクセンチュア (Accenture)
KPMG
これらの金融機関やコンサルファームは、ESGに関する投資戦略やリサーチ、ESG評価やコンサルティング、ESG関連の投資商品の提供などを行っています。ただし、このリストに挙げられていない金融機関やコンサルファームもESGに取り組んでいる場合があります。
ESG経営とは
ESG経営とは、企業が環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の観点から持続可能な経営を行うことを意味します。つまり、企業が環境への影響、社会的責任、経営の透明性・公正性などを考慮し、社会的価値を追求する経営を行うことが求められます。具体的には、環境に対する影響を最小限に抑えるための取り組み(再生可能エネルギーの導入、廃棄物削減、環境保護活動など)、社会的な責任を果たすための取り組み(人権尊重、ダイバーシティの推進、地域社会との協働など)、経営の透明性・公正性を高めるための取り組み(内部統制強化、取締役会の有効性向上、報告書の作成・公開など)が挙げられます。
ESG経営は、企業の社会的責任という観点からだけでなく、経営上のリスク管理や長期的な企業価値の向上にも関連しています。近年、ESG投資が注目を集めており、ESG経営を進める企業は、投資家からの信頼を得やすくなるとされています。
ESGとSDGSの違い
ESGとSDGsは、共に企業や社会が取り組む持続可能性に関する概念ですが、それぞれ異なる視点から持続可能性を考えます。ESGは、企業の持続可能な経営を考える際に重視される観点であり、環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素にフォーカスしています。つまり、企業が環境に与える影響、社会的責任、経営の透明性・公正性などを考慮して、社会的価値を追求することが求められます。
一方、SDGsは、国際連合が定めた持続可能な開発目標であり、17の目標と169のターゲットから構成されています。SDGsは、国際社会が取り組むべき課題を示し、その達成に向けた取り組みを推進することが目的です。SDGsは、貧困削減、人間の尊厳、平和と正義、地球環境など、広範な課題に取り組むことが求められます。つまり、ESGは企業による持続可能な経営を推進するための考え方であり、SDGsは国際社会による持続可能な開発を目指すための目標となっています。
ただし、企業がESG経営を進めることで、SDGsの達成に貢献することが期待されています。ESGコンサルタントの資格ESG(Environmental, Social, Governance)コンサルタントの資格は、特定の法律で定められたものはありません。ただし、ESGに関する知識や専門的な能力を有するためには、以下のような資格や認定を取得することができます。
ESG関連の認定プログラム
ESG関連の認定プログラムは、ESG分野の専門的な知識やスキルを身に付けるために設計されたプログラムです。例えば、CFA Instituteの「Certificate in ESG Investing」や、米国グリーンビルディング協議会の「LEED Green Associate」などがあります。社会責任に関する認定プログラム:ESGの中でも社会(S)に関する項目にフォーカスしたプログラムもあります。例えば、社会責任の国際基準である「ISO 26000」の認定資格や、「SA8000」の認定資格などがあります。
財務会計に関する資格:ESG分野では、企業の財務情報とESG情報を統合的に評価することが求められます。そのため、財務会計に関する資格を持つことも有用です。例えば、公認会計士(CPA)、証券アナリスト、ファイナンシャルプランナーなどがあります。
環境に関する資格:ESG分野の中でも環境(E)に関する項目にフォーカスした資格もあります。例えば、ISO14001の認定資格、エネルギーマネージャー認定制度、環境アセスメント技術者認定制度などがあります。以上のような資格や認定を取得することで、ESGコンサルタントとしての専門知識やスキルを身に付けることができます。ただし、ESGコンサルタントになるためには、資格や認定を取得するだけでなく、実務経験や業界知識、コミュニケーション能力なども必要とされます。